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共感するということ。

「消費者のシンパシーに訴えかける広告を・・・」

昔、そんな言葉を聞いたような。


その時、Sympacyを”共感すること”と考えていたけれども、ちょっと違うんだね。

Sympacyの意味には共感も含まれるけれども、むしろ同情。

共感を表す英語はEmpacyですね。


さらに、日本語の”共感”についても、多くの人は誤解しているようです。

私も、共感を得るというのは、「わかるわかる、そうなんだ!」みたいなことかと思っていたけど、「わかる」というのは、”理解する”ということなんですね。


”共感”の定義を調べてみると、

「相手の気持ちに寄り添って、その喜怒哀楽の感情を共有すること」。

カウンセリングの場では、クライアントが「辛いんです」と言えば、それを受けて

「なるほど、わかりますよ!」ではなくて、「辛いんですね〜」と鸚鵡返しにするのが定石。

相手の気持ちをそのまま受け止めて、同じ感情を共有するということです。

「消費者から共感される広告」と言われた場合、

消費者から「わかるわかる」と言われて、親近感を覚えてもらうことが求められているのでしょうけど、これ、本当は「理解」なんですね。


共感されるということは、書き手が訴えている感情と同じ感情を共有してもらうわけだから、

たとえば、「お尻が痛くて辛い」という表現に対して、

「お尻が痛くて辛いんですね」と思ってもらうことだよね。

でも、ここからは「じゃぁ、ボラギノールを買おう!」には行きにくそうな。

むしろ、「売れなくて困る、悲しいです」という表現をして、

「売れなくて悲しいんですね〜。じゃぁ、一ついただきましょう」

の方が近いのではないかなぁ……でも違うか。


お尻が痛くて辛い人が、広告で同じ境遇の人の話にふれて「ああ、同じだ」と共鳴する。

「そうよね、辛いよね」と共感したら、その人が推奨している商品を同じように試してみようと考える……そんな感じなんでしょうか。


とにかく「共感」という言葉、本当はなかなか難しい概念なんですよ。


                        言葉にこだわる、ことばる店主



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